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やわらかい真鍮で、手のように捏ねるBehind of ICHIKŌ ICHIE #01

やわらかい真鍮で、
手のように捏ねる
Behind of ICHIKŌ ICHIE #01

KNOW 2023 SEP. 05

一本のインセンスは、いくつもの原料から生まれる

インセンスは、一つの原料から生まれるものではありません。
香りのもととなる粉をはじめ、燃える役目や粉同士をつなぎ合わせる“糊”の役目をもつ原料を配合し、捏ね機を使って均一に混ぜ、水を加えて粘土のようにして捏ね合わせていきます。

その配合はとても繊細で、少しでもバランスが崩れると火が付きにくくなったり、折れやすくなったり、燃焼時間が変わってしまったりするため、長年の経験と、熟練した感覚が求められます。水の量も、夏と冬では違い、その日の温度や湿度によって細やかな調整を施します。


万遍なく、均一に、混ぜる

異なる種類の粉と水を、均一に混ぜ合わせるために。「練り」と言われるこの工程には、細心の注意が払われます。

香りや品質にムラができないよう、粉を投入する時は“ふるい”を使って不純物や大きな塊が入らないようにします。

水を注ぐ時も、“じょうろ状”の器具を使って、シャワーのように水分を万遍なく広げていきます。

時折、機械を止めて、人の手で機器にこびり付いた粉を落としたり、塊をほぐしたり、全体が均一に求められる粘度に達するまで、丹念に作業を積み重ねていきます。

ただし、混ぜ過ぎてもいけません。天然原料の繊維質などが潰れてしまい、品質に影響が出てしまうためです。人の目と手の感触で最適な練り具合を見極め、30〜40分ほどの時間をかけて作業を完了させます。


人の手のようにやわらかい真鍮

初めて捏ね機を見た人の目を引くのは、金色に輝く2つの輪ではないでしょうか。

この輝きは「真鍮」が放つものです。真鍮は、金属の中でもやわらかい素材で、人の手で粘土を捏ねるように、粉をやさしく混ぜ合わせるのに適しているのです。

一つの作業が終わるごとに、この真鍮の輪も、捏ね機の釜も、ていねいに清掃され、粉一粒残らないように磨き上げられ、真っさらな状態になって、また次の原料を待ちます。

長年の経験に裏打ちされたものづくりと、食べ物をつくるように繊細な品質管理。そして、専門の機械と、人の手。そのどれが欠けても、ICHIKŌ ICHIEのインセンスは生まれません。


ICHIKŌ ICHIE INCENSE

自然から生まれる香り、季節の彩り、稀少な天然香木の香り。
身近にあるものの素晴らしさ、こころの風景。
お香をとおして、いくつもの出会いを。
https://ichikoichie.jp/products/incense/


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